標準宇宙モデルとして知られているフリードマン・ルメートル・ロバートソン・ウォーカー時空における非線形波動について考察する.平坦な時空であるミンコフスキー空間の場合での既知の結果と比較することによって,宇宙膨張速度を表すスケール因子が非線形波動に及ぼす影響を解明することが本研究の目的である.膨張宇宙モデルを減速,等速,加速の場合に分け,非線形波動方程式の解の時間大域的存在条件や爆発条件,および爆発解の存在時間評価を求めた.その結果,ミンコフスキー空間の場合と比べて解の爆発が起こりやすいこと,さらに爆発解の存在時間も短くなることが明らかになった.
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