研究課題
面積保存写像に対する変分法的なアプローチであるAubry-Mather理論をもとにした不変曲線の非存在証明について研究を行なった.特に,標準写像において,精度保証付き数値計算も援用して,不変曲線の非存在を証明した.さらに,長方形の1辺を与えられた曲線に変えたビリヤードの力学系にも同様の手法により不変曲線の非存在条件を与えた.Hill問題の周期解の存在証明をした結果は学術雑誌Japan Journal of Industrial and Applied Mathematicsに掲載された.また,非等方Kepler問題の周期解の存在証明をした結果は学術雑誌Celestial Mechanics and Dynamical Astronomyに掲載決定している.変分法により存在を示した2n体問題の周期解から生成される組みひもの拡大率が金属数を用いて表現できることを証明した結果は,論文を執筆し学術雑誌Topology and its Applicationsに掲載された.折り紙写像において面積保存写像が現れる.その写像において,KAM定理を用いて,不変曲線の存在を示した.Zoll曲面の特性を応用し,Kepler問題の超可積分性を保ったまま,摂動可能であることを示した.
2: おおむね順調に進展している
不変曲線の存在に関する研究は順調に進んでいる.
与えられた面積保存写像に対するMoserによるハミルトニアンの構成を,与えられた組みひもを実現できる形にして定式化する.コロナ禍で少なくなっていた国際会議や研究集会が徐々に開催されるようになってきたので,これでの成果を発表し研究交流を図る.
本研究成果を発表するのに相応しい国際会議が2024年12月に開催されることとなったため,それに参加するために予算の使用を調整した.
すべて 2024 2023 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 備考 (1件)
Topology and its Applications
巻: 337 ページ: 108640~108640
10.1016/j.topol.2023.108640
Celestial Mechanics and Dynamical Astronomy
巻: 135 ページ: -
10.1007/s10569-023-10133-8
https://sites.google.com/view/mitsurushibayama