線形の知覚関数を持つ走化性方程式系の解の性質に関しては解の時間大域的存在及び爆発の両面から研究が進んでおり、リアプノフ関数がその研究に重要な役割を果たしている。一方、非線形知覚関数を持つ走化性方程式系のリアプノフ関数は発見されておらず、そのため研究は遅れており、その研究には今まで用いられた手法とは別の手法の発見が重要であった。本研究に用いられた補助関数を用いる手法によって非線形知覚関数を持つ走化性方程式系の研究が進展することが期待できる。さらに、走化性方程式系は生物学的な現象を背景としており、非線形知覚関数の中でも対数関数は生物学のモデルの中で重要な位置づけとなっている。
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