研究課題/領域番号 |
18K03387
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研究機関 | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
研究代表者 |
渡邉 宏太郎 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 電気情報学群, 教授 (30546057)
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研究分担者 |
塩路 直樹 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (50215943) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 正値球対称解 / 一意性 / 精度保証数値計算 |
研究実績の概要 |
半線形楕円型方程式の研究ではエノン型方程式でべき乗項にパラメータλがついた方程式の偶関数解について田中敏氏、塩路直樹氏と行った(塩路氏は萌芽的アイデアの部分に大きく関わった)。パラメータとしては、xのl乗とλの2つのパラメータ(l,λ)があることになるが、正値偶関数解の一意性はPohozaev恒等式を用いると(l,λ)の2次元平面の第一象限のほとんどの部分で成り立っていることがわかる(非常に薄い領域のみ多重存在の可能性が残る)。当初、一意性定理を改良することにより、2次元平面の第一象限全体に拡張できるものと考えていたが、数値計算を行うと必ずしもそうとは言えない現象を発見した。これが、数値誤差によるものなのか本当に解が多重存在しているのかしばらく不明であったが、精度保証数値計算(早稲田大・柏木氏のパッケージ)を用いることで本当に解が多重存在していることがわかった。解の多重存在の可能性があるパラメータ領域はlを固定するとλについて0より大きな値となるので従来法ではなかなか解をつかまえる方法を見つけることは難しかった。このような問題に対して有効な方法となり得るように思われる。ただし、(l,λ)を固定して精度保証数値計算を行うので離散的な(l,λ)の組での解の多重存在しかいうことができない。この改良は必要であるものと考える。 また、田中敏氏と共に3次元球面上のスカラーフィールド方程式について、正値球対称解の一意存在と多重存在性について研究を進めた。偶関数解と非偶関数解の多重存在性について言及した。この研究は論文としてまとめられ、現在投稿中である。 方程式の解の性質の問題とは別に山岸弘幸氏、永井敦氏と共に離散ソボレフ不等式(ソボレフ不等式の離散版)の様々な拡張可能性について議論を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
一意性定理で解の多重存在が可能なパラメータセットを絞り、そのうえで正値偶関数解の多重存在問題に精度保証数値計算を試みたことは、新たな試みと考えている。このため、上記評価とした。
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今後の研究の推進方策 |
半線形楕円型方程式の正値球対称解について、一意性定理を用いて解の多重存在が可能なパラメータセットを絞り、その上で解の多重存在性を示す。本年度は精度保証数値計算を援用したが、この方法では今のところ、離散的なパラメータの値でしか解の多重存在性が言えないため、これを埋め合わせる方法を開発しなければならないと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の影響により、オンライン参加により、旅費の使用が少なかったことが影響したように思われる。本年度は最終年度のため、物品等購入にも積極的に活用させていただく。
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