研究実績の概要 |
Anti-Blocking型とBlocking型の整数多面体の持つ組合せ構造に関するアナロジーの解明は、組合せ最適化分野のプリンシパルなテーマであり、Conforti&Cornu´ejolsの予想及びGrinstead の予想は、当該研究領域における2つの重要な未解決予想である。本年は、Conforti&Cornu´ejolsの予想を包含するCornu´ejols, Guenin and Margotの予想を解く為の包括的なスキームを提案し、かつその理論を用いて、ブロッキング数が3以上の組合せアフィン平面はideal minimally non-packing clutterにならないこと(Cornu´ejols, Guenin and Tuncel(2009)の未解決問題におけるideal minimally non-packing clutterにおけるcounter-partを成す予想)を示した論文「On ideal minimally non-packing clutters,Mathematical Programming and Game Theory, edited by S.K. Neogy, R.B. Bapat, Dipti Dubey, Springer Research Monograph (Indian Statistical Institute Series),67-86」など4本の論文を国際数学雑誌に出版した。更に、ネットワーク上の多数決問題を数学的に定式化した「Safe Sets, Network Majority on Weighted Trees,Networks,71(1) 81-92」は、当該ジャーナルにおいて、2016-2018年のダウンロード数トップ20位以内にランクインするなど、当該分野における画期的成果として注目された。また、組合せ最適化分野における中心的かつ重要な研究分野であるTutte Polynomialに関する成果としては、(x,y)=(2,-1)における当該多項式の値に対して、世界で初めてその組合せ論的解釈(コードダイアグラムの展開数と等しいこと)を与えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
国際数学雑誌に4本の論文を出版したことからも分かるように、研究は当初の予想以上に進展している。本年出版された研究成果の中には、当該研究課題の中心的テーマであるConforti&Cornu´ejolsの予想及びGrinstead の予想に対する部分的な解決が含まれるのみならず、ネットワークにおける多数決概念の数学的定式化とネットワークのハブ構造を切り出す効率的なアルゴリズムの提案が挙げられる。更に、組合せ最適化分野における中心的かつ重要な研究分野であるTutte Polynomialに関する成果としては、(x,y)=(2,-1)における当該多項式の値に対して、世界で初めてその組合せ論的解釈(コードダイアグラムの展開数と等しいこと)を与えるなど、いずれも国際的に高い評価を受けた成果となっている。
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