研究課題/領域番号 |
18K03388
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
佐久間 雅 山形大学, 理学部, 教授 (60323458)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | safe set / tute polynomial / FPTAS / network majority / pebble motion problem / 凸幾何 |
研究実績の概要 |
[Graphs and Combinatorics,2021年10月]ではTutte多項式の一般化を論じ、[European Journal of Combinatorics,2021年06月]においてPebble Motion Problemの一般化に成功。[European Journal of Combinatorics,2021年01月]では、任意の点重み関数上でsafe numberとconnected safe numberが一致する二部グラフを特徴づけ、[Stable Structure on Safe Set Problems in Vertex-weighted Graphs II -- Recognition and Complexity --, 2020年10月]では、Ehard & Rautenbachの予想を覆し,点重み付き木におけるconnected safe set最小化問題がFPTASに属することを示す。[Journal of Combinatorial Optimization,2019年02月]では、サイクルグラフのsafe numberとconnected safe numberが任意の頂点重み関数の下で等しくなることや重みつきサイクル上のsafe set最小化問題がO(n)であることを示し、かつTittmann等[Eur J Combin 32, 2011]の未解決問題の一つを解決。[On ideal minimally non-packing clutters, 2018年11月]では、Cornuejols, Guenin and Margotの予想に対する証明手法を提案し、combinatorial affine planesにおける当該予想を解決。[Journal of Combinatorial Optimization,2018年11月]では、点重み無しのsafe set最小化問題が、treewidthが制限されたグラフの族において多項式時間で計算可能であること等を示した。[Discrete Mathematics,2018年06月]において,世界で初めて Tutte polynomialの(x, y) = (2, -1)における値に組合せ論的解釈を与えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
国際的に高く評価される論文を毎年出版できており、当初の計画以上に進展している。Ehard & Rautenbachの予想 [Discrete Applied Mathematics, 2020] を覆し,点重み付き木における minimum connected safe set の同定がFPTASに属することを示し,2020年のcore rank Aの国際会議 WG (採択率 32/94)に採択された。これら一連の成果に基づき, 2021年3月,当該テーマについて国際会議における招待講演 (International Symposium on Computational Operations Research and Algorithmic Game Theory,2021年03月,Indian Statistical Institute Delhi Centre (On Line),Network majority and the connected safe set problem) を行っている。その他,Tutte 多項式,凸幾何,pebble motion など,グラフの配置と遷移に関する様々な成果を得ている。学術論文 [European Journal of Combinatorics,2021]において,pebble motion problem モデルの一般化に成功し,学術論文 [Discrete Mathematics,2018] において,世界で初めて Tutte polynomialの(x, y) = (2, -1)における値に組合せ論的解釈を与えたことなどが、当該科研費交付期間における顕著な業績の例である。また、[Safe Sets, Network Majority on Weighted Trees,Networks,2018年01月]は、当該科研費交付直前の結果ではあるが、昨年6月、Networksから、本論文が当該雑誌のインパクトファクターを当時の1.2から現在の5.059(Q1,7位)に押し上げる要因のひとつになったことが通知された。このことは、我々の一連のsafe setの研究における国際的な注目度の高さを示している。
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今後の研究の推進方策 |
今後共、更に研究を推し進めて、より一層質の高い成果を得られるよう、努力する所存である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のため、国際会議はもとより国内の研究集会や研究打合せに出向くことが一切出来ず、共同研究に著しい障害が出ていることが、そのあからさまな理由である。 ここ数年、国外への出張はもとより国内(県外)への出張が禁じられて旅費が一切使えない状況が続いたため、対面で進める予定の共同研究がまったく出来ない困った状況にある。 感染の収まりを見て、新たな気持ちで、対面による国内外に共同研究の著しい進展を目指し邁進するつもりである。
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