研究課題
本研究の目的は,閉曲面上のグラフについて,ハミルトン閉路を利用した新しい彩色の手法を提案することである.この目的達成のため,2022年度は閉路と彩色の関係を研究した.全頂点の次数が3 である 3-正則グラフにおいて,同じ色の辺が隣接しないように辺に色を塗ることを辺彩色といい,特に使う色数が 3色のとき 3-辺彩色という.1つの 3-辺彩色が与えられたとき,2色からなる閉路における色を交換する操作を Kempe変換といい,Kempe変換で移り合う 3-辺彩色を Kempe同値であるという.Kempe同値性は,四色定理の証明でも用いられており,特に,どのようなときにすべての3-辺彩色が Kempe同値になるか,と言う問題は四色定理やその他の予想に関連して,重要な問題となっている.これに対し,本研究では,射影平面上の 3-正則2部グラフにおいて,すべての3-辺彩色が Kempe同値であることを示し「Kempe equivalence classes of cubic graphs embedded on the projective plane」を出版した.また,claw-free 3-正則グラフにおいて,2-factor と呼ばれる閉路の集合を利用し,ある種の彩色に関連した 2-bisection の存在を示し,「A 2-Bisection with Small Number of Monochromatic Edges of a Claw-Free Cubic Graph」という論文を出版している.そのほか,彩色に関係した Rmasey数に関してや辺の向き付けに関しての成果を得ている.
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)
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