研究課題/領域番号 |
18K03406
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12040:応用数学および統計数学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
坂井 哲 北海道大学, 理学研究院, 教授 (50506996)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 自己回避歩行 / パーコレーション / イジング模型 / 相転移 / 臨界現象 / 上部臨界次元 / クロスオーバー現象 / レース展開 |
研究成果の概要 |
(1)d次元体心立方格子上のパーコレーションがd≧9で平均場臨界現象を示すことを証明した.予想されているd≧7には及ばないものの,標準的なd次元立方格子上における上部臨界次元の現時点での最良評価d≧11(Fitznerとvan der Hofstadによる2017年の結果)を凌駕した. (2)2体相互作用係数が2体間距離の冪で減衰する長距離モデル(自己回避歩行,パーコレーション,イジング模型)に対し,特にその分散が対数発散する境界冪の場合に,上部臨界次元以上(等号込)で臨界2点関数の漸近挙動を解明した.これらの結果は,物理学者らが2014年に発表した予想を解決したものである.
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自由記述の分野 |
数学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
(1)或る次元dcより上では,臨界現象が平均場的なものに退化する.このdcを上部臨界次元dcと呼ぶ.最近接パーコレーションではdc=6と予想されているが,超立方格子上ではdc≦10であることが示されていた.本研究は,標準的な最近接格子の一つである体心立方格子上で一桁の次元dc≦8まで降りることに成功した初めての結果である. (2)境界冪長距離モデルの場合,臨界2点関数の漸近挙動には(高次元でも)対数補正がつくものと予想されていたが,それを証明する解析手法がなかった.本研究では,対数補正つき冪関数どうしの畳み込み不等式を開発し,dc直上まで平均場臨界現象に退化することを証明した初めての結果である.
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