研究課題/領域番号 |
18K03411
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
劉 雪峰 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (50571220)
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研究分担者 |
田中 環 新潟大学, 自然科学系, 教授 (10207110)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ナビエストークス方程式 / 有限要素法 / Hypercircle法 / 事前誤差評価 / 精度保証付き数値計算 |
研究実績の概要 |
ナビエーストクス方程式の定常解の計算機援用検証について、3次元領域における検証例を検討しました。特に、解の検証に要求されるストクス方程式の解の事前誤差評価について、Hypercircle法を利用することで、任意2次元・3次元の有界領域に適用できる誤差評価方法を提案した。実際の計算では、凸領域及び非凸領域における検証例を行いました。検証例を成功させるために、最大120万次元の行列の計算を行いました。
厳密計算に必要な有限要素法のライブライの開発を進めました。このライブライの開発では、2~3次元領域の任意次数のRaviart-Thomas要素、Lagrange要素の提供を目指しています。開発した有限要素法のライブライを利用して、3次元領域におけるPoincare定数の厳密かつシャープな評価を得ました。
ナビエーストクス方程式の解の検証に使用されるHypercircle法を拡張して、境界値問題の近似解の「各点誤差評価」を検討した。1950年代藤田宏はポアソン方程式の境界値問題の解に対して各点値の上下界を与える方法を提案しました(J. Phys. Soc. Jpn. 1955.10:1-8)。本研究では、Hypercircle法の拡張として、藤田氏の方法と有限要素法を融合して、ポアソン方程式の有限要素解に対する各点誤差評価を行いました。大域な誤差評価である最大値ノルムの誤差評価理論で得られるO(h^2log(h))の収束性により、指定される点の関数値に対してO(h^2)の収束オーダーを確認しました。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3次元のおける検証例によって、提案手法の有効性を確認できました。ただし、計算の結果には丸め誤差がまた残されていますので、厳密な計算結果を出すために、区間式の有限要素法のライブライの開発が必要です。現在、このライブライの開発を進めています。
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今後の研究の推進方策 |
区間式の有限要素法のライブライの開発と検証を引き続き行う予定です。
最終年度では、研究の結果を論文にまとめて投稿する予定です。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの拡大の影響によって、関わる学会の開催が中止されていました。次の年度では、繰越金を学会の参加またはオンライン会議のための設備の購入に使用する予定です。
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