研究課題/領域番号 |
18K03411
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
劉 雪峰 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (50571220)
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研究分担者 |
田中 環 新潟大学, 自然科学系, 教授 (10207110)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ナビエ・ストークス方程式 / 計算機援用証明 / 厳密計算ライブラリ |
研究実績の概要 |
本研究は3次元領域におけるナビエ・ストークス方程式の定常解の計算機援用検証法を検討し、2019年度にすでに数学的アルゴリズムを提案し、丸め誤差などの誤差を含む近似計算での検証例を成功した。2020年度では、数学的正しい計算結果を提供できる限要素法の厳密計算ライブライ(Verified Finite Element Method, VFEM)を開発した。VFEMライブライでは、3次元領域における任意次数のRaviart-Thomas要素とLagrange要素など有限要素法の関数空間の厳密計算法を提供している。当該ライブライでは、本研究で提案したナビエ・ストークス方程式の解の検証厳密法のアルゴリズムも提供している。 このライブライによって、世界初の3次元領域におけるナビエ・ストークス方程式の定常解の厳密な検証が可能となる。実際の厳密解の検証例は2021年度の前半に論文でまとめて学術誌に投稿する予定である。 オンラインで科学計算を実施できる環境Ganjin.Onlineを開発・公開した。このオンライン環境では、仮想マシンの技術を利用して、科学計算コードの共有とオンライン計算が可能となる。使用者は自分のPCに科学計算のライブライなどをインストールしなくでも、いつでもオンラインで科学計算の実施ができる。本研究で開発した3次元領域におけるナビエス・トークス方程式の解の検証コードはGanjin.Onlineに公開する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3次元領域の解の検証に必要な検証アルゴリズムと厳密計算ライブライの開発は計画通りで完成し、解の厳密な検証法ができるようになっている。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度では、厳密計算ライブラリの公開・検証例の結果発表を行う予定である。 また、3次元領域におけるナビエ・ストークス方程式の解の検証方法と検証例をまとめて、2021年5月に学術誌に投稿する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の影響によって、参加予定の海外の学会が延期された。また、国内の研究同士との研究打ち合わせの一部は実施できなく、2021年度に実施する予定である。
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