研究課題
目的変数ベクトルの次数が大きい場合での多変量回帰モデルにおいて,モデルの複雑さに対する罰則調整項を伴う一般化情報量規準(GIC)の最小化に基づく変数選択問題を取り扱う.GICは,Akaike (1973)により提案されたAICやSchwarz (1978)により提案されたBIC,Hannan & Quinn (1979)により提案されたHQCなど多くの既存のモデル選択規準を特別な場合として含む,一般的なモデル選択規準である.変数選択問題において,真のモデルが最適なモデルとして選ばれる確率が標本数を無限大としたときに1に収束する性質である,一致性と,期待残差平方和に基づくロス関数について,選ばれたモデルでのロス関数とロス関数の最小値の比が1に確率収束する性質である漸近ロス有効性が重要なものとなる.特に,有効性を持つモデル選択規準で変数選択を行えば,漸近的に予測の意味で良い変数選択法であるといえる.本研究において,どのような非心パラメータ行列であっても一致性を持つためのGICの罰則調整項の条件を,標本数は無限大になるが,目的変数ベクトルの次元と候補となる説明変数の個数は無限大になってもならなくてもよいという漸近理論の下で導出した.また,漸近ロス有効性を持つためのGICの罰則調整項の条件を,標本数は無限大になるが,目的変数ベクトルの次元は無限大になってもならなくてもよいという漸近理論の下で導出した.この結果を利用して,目的変数ベクトルの次元の大きさによらず高い確率で真のモデルを最適なモデルとして選択できることが期待できる新たなモデル選択規準と予測精度が高いモデルを最適なモデルとして選択できることが期待できる新たなモデル選択規準を提案した.
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 4件、 招待講演 5件)
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