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2021 年度 実施状況報告書

力学系的手法によるキラル液晶の構造の研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K03416
研究機関山口大学

研究代表者

西山 高弘  山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (60333241)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワード力学系 / キラル液晶 / ブルー相 / ベルトラミ流 / 不変トーラス / 磁気群
研究実績の概要

球の充填は17世紀のケプラーによる考察以来の長い歴史をもつテーマであるが,円柱の充填(rod packing)は1970年代に結晶学の分野で調べられ始めた比較的新しいテーマである.立方晶の対称性をもつ主要な円柱充填は,パイ型,シグマ型,オメガ型,ガンマ型,パイ*型,シグマ*型の6種類に分類されるが,パイ型,シグマ型,オメガ型はキラリティをもつため,鏡像体を区別する場合は,3種類増えて合計9種類に分類される.キラル液晶の一つ,コレステリック液晶のブルー相Iにおけるシリンダ構造はパイ型に対応し,ブルー相IIにおけるシリンダ構造はパイ*型(パイ*型そのものにはキラリティがないが,各円柱にキラリティを加えたもの)に対応する.一昨年度(2019年度),円柱充填9種類のそれぞれと同じ配置をした不変トーラスをもち得る力学系は,どのようなものかを磁気群を利用して明らかにした.本年度(2021年度)では,その結果を実証する目的で,実際に円柱充填と同じ配置をした不変トーラスをもつ力学系の例を見つけ出した.また,それらの例それぞれについて,不変トーラスが単位胞のどの程度を占めるか,その体積比率を教師付き機械学習の手法で測定した.さらに,副産物として,ループ状の不変トーラスが鎖のようにリンクした構造を,ベルトラミ流を用いて表されるキラルな力学系において,いくつか見い出した.そのうちの一つでは,ループが複雑な結び目をなしていた.以上の事実を論文としてまとめて投稿した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究課題採択時に予定していた期間(3年間)を延長して研究に臨んだ本年度,不変トーラスが鎖状につながった構造を思いがけず発見したため,その調査に時間を要し,論文の執筆完了が見込みより遅れたため.

今後の研究の推進方策

本研究課題はほぼ終了に近づいている.再々延長する次年度では,投稿した論文で扱った力学系以外の不変トーラスについても調べ,その結果とともに研究の総括をする予定である.

次年度使用額が生じた理由

論文の執筆完了と投稿が遅れたため.研究経費の残りは,その論文をオープンアクセス化するための費用の一部として使用する.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 立方晶の対称性をもつベクトル場におけるダブルツイスト構造.rod packing の観点から2021

    • 著者名/発表者名
      西山高弘
    • 学会等名
      日本液晶学会

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公開日: 2022-12-28  

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