(1)拡散性の低減: 細胞質はマクロ分子で極めて混み合っている。このような混み合いの結果、細胞内マクロ分子の拡散性は希薄溶液中に比べ 1/10 程度まで低減することが報告されている。本研究課題では細胞質の粗視化モデルの理論的な解析を行い、拡散性の低減率を求めた。 (2)非ガウス性と異常拡散: 細胞内の比較的大きな分子は複雑な拡散性を示すことも、一分子計測実験により分かってきた。特に、異常拡散や非ガウス性などの特異な統計的性質を示すことが明らかになってきた。そこでこのような複雑な拡散現象を説明するため、新たな現象論的モデル (拡散性が揺らぐ一般化ランジュバン方程式) を構築した。
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