研究実績の概要 |
複素2次元のエノン写像について、自然に導かれる非線型2階差分方程式; x(t+1) - x(t) - b x(t-1) = -a {x(t)}^2 を、Borel-Laplace変換の方法により、摂動論を用いず解く研究を行った。ここa, b はパラメータで、λ は a, b から定まる数であり、t は複素変数である。この差分方程式の解x(t)は,原点近傍を除く角度 θ の傾きをもつ半平面で(詳しくは、θ = arg(-log α) +π/2))で漸近展開表示をもち、x(t)とポアンカレ関数との詳しい関係を調べ、θ を変えたときの接続定数について議論し、微分方程式論でよく知られたバーコフ型定理の類似(ストークス現象)についての結果を得た。下記のように口頭発表をした: [3] 複素1次元の多項式写像に対する正則運動と双曲性 平出耕一 2020年度 冬の力学系研究集会 ; オンライン開催 2021年1月9日 [2] 複素エノン写像の力学系にあらわれる Stokes 的現象 平出耕一, 松岡千博 2020年度日本数学会秋季総合分科会、無限可積分系、オンライン開催 2020年9月22日 [1] C^2 のエノン写像の力学系に現れる非線形ストークス現象 平出耕一 RIMS 研究集会「数理科学の諸問題と力学系理論の新展開」、オンライン開催 2020年9月16日 また研究成果の概要が次の様に出版された:[1] 平出耕一, C^2 のエノン写像の力学系に現れる非線形ストークス現象, 「数理科学の諸問題と力学系理論の新展開」、数理解析研究所講究録 2181, 2021年、印刷中
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