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2020 年度 実施状況報告書

原生生物の探索行動を創発する機構の数理モデル

研究課題

研究課題/領域番号 18K03430
研究機関法政大学

研究代表者

伊藤 賢太郎  法政大学, 生命科学部, 講師 (20528351)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード数理モデル / 探索行動 / 粘菌 / ネットワーク
研究実績の概要

粘菌という原生生物が自ら移動しながら栄養源を獲得するためにどのような戦略をとっているかを明らかにするために、数理モデルを用いた研究を行った。特に枝分かれした迷路内に粘菌を置き、その粘菌が体を広げながら迷路を探索する様子を再現するために、昨年度から「確率的な要素をとりいれた数理モデル」の研究を行った。粘菌の実験は、実験者の目線で同じ条件に設定したつもりであっても様々振る舞いが現れる。「なぜ進んだり進まなかったりするのか」に答えるのは決定論的なモデルの方であり、この確率モデルは「確率的に進んだり進まなかったりしたとしたら、全体としてどういう振る舞いをすることになるのか」という質問に答えるためのモデルである。
粘菌の先端の速度を調べ、その結果を粘菌の数理モデルに取り込む予定であったのだが、事情により粘菌の先端の速度を調べる実験が進められなかった。そのため、粘菌の速度は大きさに依存しないものとし、粘菌が大きく広がっていることが探索にとってどれだけメリットがあるかと明らかにするための数理モデルを考えた.
今回はトイモデルとして、時間、空間ともに離散的なモデルを用いた。ネットワーク上を移動する粘菌の雛形モデルをつくり、粘菌が迷路内の全経路を探索し終えるまでにかかった時間をシミュレーションを通して調べた。その結果、粘菌の先端の速度が粘菌の大きさに依存しないモデルであるにもかかわらず、粘菌の大きさがある程度大きい方が、経路を探索し終わるまでにかかる時間が短いということがわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

実験により粘菌の移動する様子を調べ、その結果を数理モデルへフィードバックしていく予定であった。だが、予想を超えて流行が長引いている新型コロナの影響で、大学構内の利用が制限、実験スペースが定期的に換気をしなくてはいけないという問題から、粘菌の温度管理ができず、実験がほとんどできないという状況が続いていた。この研究課題が終わる2021年度まで実験ができないという状況を回避するために、当初の研究計画にはなかった恒温器を購入した。これにより、限られたスペースではあるが恒温器内部で温度管理の行き届いた状態で実験を行うことができるようになった。今後は少しずつ実験を行いながら、数理モデルのアップデートを行なっていきたい.

今後の研究の推進方策

新たに購入した恒温器を用いて実験を行なっていき、数理モデルにフィードバックを行なっていく.また得られた結果については速やかに発表を行なっていきたい.

次年度使用額が生じた理由

新型コロナ影響で旅費が一切使えなかった. 最終年度では旅費,論文の投稿に研究費を使用したい.

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公開日: 2021-12-27  

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