| 研究課題/領域番号 |
18K03433
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| 研究機関 | 立正大学 |
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研究代表者 |
小林 幹 立正大学, 経済学部, 准教授 (10547011)
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| 研究分担者 |
安東 弘泰 筑波大学, システム情報系, 准教授 (20553770)
竹原 浩太 東京都立大学, 経営学研究科, 准教授 (70611747)
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| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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| キーワード | 制御理論 / 拡散現象 / 力学系 |
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| 研究実績の概要 |
2020年度は、2019年度に進めた研究結果について、結果の軽微な修正や拡張を行い、結果の詳細に関する論文執筆を主に行なった。論文の趣旨は、本研究課題において構築されたウィナー過程における拡散制御手法に対して、数学的な妥当性を2つの観点から明確にしたことである。一つ目は、統計的観点、二つ目は、確率論的観点である。これら二つの観点に関して、数学的理論を構築し、適用可能な系の範囲を明確にしつつ拡張可能性を含め議論した内容を論文としてまとめ現在国際雑誌へ投稿中である。
さらに2020年度は、本手法を制御手法の一つとしてのみ捉えるのではなく、ランダム力学系として捉え、ランダム力学系解析を適用する試みも開始している。ランダム力学系とは力学系にノイズなどのランダムネスが加わった系であり、ランダム力学系解析とは、近年活発に研究されており、考えている系を確率過程としてというよりはむしろ力学系として解釈し力学系理論を援用して解析を行うものである。特に2020年度は本制御手法に対して分岐解析やリアプノフ解析などランダム力学系の理論を用いて解析することで、手法の一般化や、数理的背景のより深い理解の構築を目指し研究を行なった。ランダム力学系の理論を用いて拡散制御の解析を行うために必要な知識や、ランダム力学系解析に必要な数値計算スキームを得ることは既に終えており研究遂行のための準備が概ね整ったので、今年度はそれらを活用して引き続き研究を行なっていく予定である
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍で研究活動が制限されたことが大きな原因である。
特に、出張の制限により、国内外の研究者との議論が十分に行えなかったことが、進捗の遅れの原因である。本理論を実験系へ適用するという研究課題において重要な課題も、実験活動の制限に伴い影響を受けている。
また、コロナ禍により、オンライン授業対応などの校務が増えたことも要因としてあげられる。
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| 今後の研究の推進方策 |
2021年度は第一に、本研究で開発された制御理論の一般化や数理構造に関するより深い理解のために、制御体系をランダム力学系として捉え、ランダム力学系解析を用いて本制御手法の解析を行なっていく予定である。昨年度は、ランダム力学系の分岐解析やリアプノフ解析などの知識や数値計算スキームを得るために時間を費やしたが、今年度はそれらを具体的な問題へ適用し、手法の一般化や、数理的背景のより深い理解の構築を目指し研究を行う。近年、ランダム力学系の研究は、理論研究、数値計算手法など非常に精力的に研究が進んでいる。制御理論とランダム力学系は親和性が高いと考えれるので、本研究を通じてランダム力学系と制御を融合した新しい理論の構築も大きな目標として研究活動を行うこと。
そして、コロナの状況にもよるが、本制御手法を実験系に適用するための理論の修正と、それを実験系に適用することも同時に行う予定である。コロナ禍で実験が行えない場合は、実験への適用を視野に入れた理論の構築を、実験家と議論しながら行い、コロナ終息後に実験系への適用を行う予定である。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のため予定していた出張が行えず、その分の費用が余り次年度使用額が生じた。
今年度は状況を考慮しつつ、国内から順次出張での研究講演や打ち合わせを再開したいと考えている。
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