水素化合物超伝導体の超伝導転移温度を定量的に再現する技術の確立と物質探索を目指した研究を行った。中でも最も高い転移温度を持つ物質の1つであるLaH10の超伝導転移温度が,水素の量子ゆらぎに由来する量子効果によってはじめて説明できることを明らかにし,定量的に転移温度が再現できることを示した。また,室温超伝導体の可能性が実験的に指摘された硫黄と炭素を含む水素化物についても研究を行い,既存のメカニズムでは,室温超伝導が説明できないことを明らかにした。これらの成果は,今後より高い転移温度を持つ物質を探索する上で欠かせない知見となる考えている。
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