ハニカム格子上のハバード模型にパイエルス型の電子格子相互作用を加えた場合、どのようなvalence-bond-solid (VBS)が実現されるのかを数値的に調べた。reflection symmetryにより限定される、グラフェンに関して許される全ての可能な格子変位のパターンを考慮し、最も安定な格子構造を決定した。その結果、ケクレ型の二量体格子歪みを伴うVBS相が半金属相と反強磁性相の中間相として現れることが分かった。これは、実験的には、歪みのないグラフェンに負圧を印加することで、有限の電荷ギャップを持つVBS相が誘起される可能性があることを示唆している。
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