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2020 年度 研究成果報告書

散逸を伴う量子状態制御・測定の研究

研究課題

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研究課題/領域番号 18K03479
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分13020:半導体、光物性および原子物理関連
研究機関筑波大学

研究代表者

都倉 康弘  筑波大学, 数理物質系, 教授 (20393788)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード量子状態制御 / 電子スピン / 量子ドット / 非平衡状態 / フォノン / 位相干渉現象 / スピン・軌道相互作用
研究成果の概要

量子系の制御に関する研究を行なった。熱浴とトンネル結合した二重量子ドット中の2電子スピン状態に注目しマイクロ波の振動電場によるコヒーレントな制御を考察した。Floquet 量子マスター方程式で解析し、制御パラメタの入れ方に非常に敏感であること、マイクロ波強度が大きくなると暗状態が実現することを見出した。また量子ドット中のフォノンとの結合の効果を考慮すると、通常の緩和過程に加え、マイクロ波振幅に依存した位相緩和現象、また非平衡フォノンに特有の新しいスピンダイナミクスも見出した。また微小な量子系の量子連続測定の反作用の効果や電荷測定により位相の情報を取得できることを見出した。

自由記述の分野

物性理論、非平衡統計、量子情報理論

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究で得られた知見により、量子ドット中の電子のコヒーレント制御の効果を高める指針が得られた。また今回考察した方法により量子ドット中のスピン・軌道相互作用の大きさを見積もるための条件を明らかにでき、スピンを用いた量子情報処理に向けて有益な知見が得られた。またマイクロ波の振幅の増大が、単に量子系の制御速度を向上させるだけでなく、暗状態の生成や位相緩和レートの増大、ラビ振動の飽和をもたらすなど様々な非線形効果をもたらすことを見出したことは、量子系の制御速度には原理的な上限があることを示し、今後の量子情報処理系の設計に関わる重要な知見をもたらした。

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公開日: 2022-01-27  

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