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2019 年度 実施状況報告書

近赤外強レーザーパルスによる原子の極紫外域多光子多重イオン化過程の量子操作

研究課題

研究課題/領域番号 18K03489
研究機関富山大学

研究代表者

彦坂 泰正  富山大学, 学術研究部教養教育学系, 教授 (00373192)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード自由電子レーザー / 多光子多重イオン化
研究実績の概要

本研究では、理研の自由電子レーザー施設SACLAの軟X線ビームラインBL1を利用し、原子の多光子多重イオン化過程について、それに関与する量子状態を能動的に操作し、その進行をコントロールすることを目指している。具体的には,自由電子レーザーに加えて高強度赤外レーザーを併用することにより、多光子吸収経路での共鳴遷移に関与する量子準位のエネルギーレベルをシフトさせ、その共鳴遷移の抑制あるいは増強を起こし、多光子吸収過程全体の進行をコントロールすることを企画している。
2019年度においては、5月と10月の2回のSACLA利用実験を実施した。前年度に引き続き、ヘリウム原子の光イオン化に対して、磁気ボトル型電子分光装置を用いたシングルショット光電子分光実験を行った。自由電子レーザーにより生成する光電子ピークに対して、赤外レーザーによるサイドバンド生成を観測した。このサイドバンドは、光電子が原子核からのクーロンポテンシャルを感じている範囲内で赤外レーザーが入射された場合にのみ生成する。このサイドバンドの観測と同時に、自由電子レーザーと赤外レーザーのショットごとのタイミング差をモニターした。この2つのデータを参照することにより、シングルショット光電子スペクトルから自由電子レーザーのパルス幅を決定することができた。この2つのレーザーのタイミングを決定手法は、原子の多光子多重イオン化過程のコントロールのための基盤技術として利用できる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

原子の多光子多重イオン化過程のコントロールのための基盤技術となる自由電子レーザーと赤外レーザーのタイミングを計測を可能としたため。

今後の研究の推進方策

Xeの4d内殻軌道からの2光子2重イオン化過程と後続する内殻空孔のオージェ崩壊のコントロールを目指し、その実験を実施していく。

次年度使用額が生じた理由

少額の残額を次年度に有効に利用する

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Electron-ion coincidence spectroscopy of Xe 4d double-core-hole states in strong XUV-FEL fields2019

    • 著者名/発表者名
      M. Fushitani, Y. Sasaki, A. Matsuda, H. Fujise, Y. Kawabe, K. Hashigaya, S. Owada, T. Togashi, K. Nakajima, M. Yabashi, Y. Hikosaka, A. Hishikawa
    • 学会等名
      35th Symposium on Chemical Kinetics and Dynamics
    • 国際学会
  • [学会発表] 電子-イオンコインシデンス分光によるXe4d内殻二重空孔状態の観測2019

    • 著者名/発表者名
      伏谷 瑞穂、佐々木 優馬、河辺 佳喬、藤瀬 光香、橋ヶ谷 かすみ、大和田 成起、富樫 格、中嶋 享、矢橋 牧名、松田 晃孝、彦坂泰正,菱川 明栄
    • 学会等名
      第13回分子科学討論会

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公開日: 2021-01-27  

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