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2020 年度 実績報告書

反強誘電-強誘電フラストレーションがもたらすリラクサー強誘電体の巨大応答機構

研究課題

研究課題/領域番号 18K03502
研究機関一般財団法人総合科学研究機構(総合科学研究センター(総合科学研究室)及び中性子科学センター(研究開発

研究代表者

松浦 直人  一般財団法人総合科学研究機構(総合科学研究センター(総合科学研究室)及び中性子科学センター(研究開発, 中性子科学センター, 副主任研究員 (30376652)

研究分担者 塚田 真也  島根大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (90570531)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードリラクサー強誘電体 / レーザークエンチ
研究実績の概要

本研究は,“相転移を回避する急速な冷却”を用いて,巨大な誘電・圧電応答が観測されているリラクサー誘電体について相転移より高温側の巨大応答状態を凍結し,不均一な系における競合状態の解明を目的としている.
リラクサー誘電体では,Morphotropic phase boundary (MPB)と呼ばれる組成境界近傍で顕著に誘電・圧電応答が大きくなることが知られている.実験に用いた試料はMPB近傍のPb(Mg1/3Nb2/3)(1-x)TixO3単結晶(x=0.30, 0.33 0.37)であり,低温でそれぞれRhombohedral(x=0.30),Monoclinic(x=0.33), Tetragonal(x=0.37)の対称性を持つ強誘電相になることが知られている.
本研究では急速な冷却を行うためのレーザー加熱システムを構築し,システムや試料を改善しながら,輝度の高い放射光X線が得られるSPring8にて実験を行ってきた.2020年度の実験では,より強力なレーザー(波長976nm, 出力25W)を用いて液体窒素温度まで急冷することで,(200)反射の分裂を完全に抑制し,急冷によりマクロな分極領域の成長を抑制することに成功した.一方,Rhombohedral相,Tetragonal相が低温での基底状態である試料(x=0.30, 0.37)では,完全に分裂が抑制されないものの,通常の冷却とは異なる分裂パターンが得られることを見出した.これらの急冷によって得られた通常の冷却で観測される相との違いは,リラクサー強誘電体の物性において,冷却速度・試料サイズが重要な影響を与えていることを示している.

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公開日: 2021-12-27  

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