研究課題
基盤研究(C)
鉄系超伝導体のような正方晶系に現れる2重縮退した軌道をもつ基本模型における電気四極子効果や電気16極子効果の解明を行った。非共形空間群P4/nmmの結晶構造をもつCeCoSiにおいて未知の相転移は電気四極子や電気16極子のような電気多極子秩序の可能性があることが分かった。また,LaMnSiやCeMnSiにおける空間反転対称性と時間反転対称性は奇でありその組み合わせである時空間反転対称性は偶の系で現れる重い電子状態などの電子状態を解明した。
物性物理学
超音波による電気四極子歪み相互作用,電気16極子回転相互作用の役割が明らかにされてきたことで,正方晶系化合物における軌道の2重縮退に注目し,それがもつ自由度である2つの電気四極子とその電気四極子と交換関係にある電気16極子が示す物性を解明することは,Kramers二重項が示す磁気的な性質の解明と対極的な対応関係があり,学術的意義がある。また,非共形空間群が示す物性の解明も結晶構造に由来する縮退の破れが考えられるため,どのような基底状態が現れるのか解明することも重要である。