量子スピン軌道液体状態の発現にはハニカム格子とヤーン・テラー効果が必要十分条件なのかを研究の課題とし、そのモデル物質や比較物質の合成を光水熱合成法を用いて行った。 歪んだハニカム格子を形成するBa系セレン酸化物(Ni、Co)の結晶育成を行った。光を照射せずに合成を行った場合、両物質で粉末又は球状成長した状態で試料が得られた。光を照射しながら結晶育成を行った場合、それらに混在する形で針状結晶の成長が確認された。 これらの針状結晶を用いて配向試料を作成し磁性測定を試みた。Coを含む試料では磁化過程からハニカム格子面間に磁場を印加した場合、3T付近でスピンフロップ的な異常が観測された。
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