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2020 年度 研究成果報告書

空間反転対称性の破れた3d遷移金属モノシリサイドの電子状態・スピン構造の解明

研究課題

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研究課題/領域番号 18K03519
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
研究機関広島大学

研究代表者

有田 将司  広島大学, 技術センター, 技術専門職員 (20379910)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードスピン・角度分解光電子分光 / 近藤半導体 / 強相関物質
研究成果の概要

空間反転対称性の破れた結晶構造を持つ3d遷移金属シリサイドの電子状態とスピン状態の解明を行うためにFeSiの機械研磨した清浄面に対し、角度分解・スピン分解光電子分光測定を行った。明瞭な3次元バンド分散を初めて実験的に得ることに成功し、モデル自己エネルギーを使ったスペクトル関数解析を行った。結果、これまで報告してきた電子-電子相互作用の強度はバンド全体で小さいことが分かった。しかしながら、フェルミ準位近傍は、強いバンドのくりこみが捕らえられ、強い相関効果を示唆する。また、Γ-Xでの面内スピン構造を測定することができ、フェルミ準位近傍のバンドについてΓ点を挟みスピンが反転する様子をとらえた。

自由記述の分野

固体物性

研究成果の学術的意義や社会的意義

FeSiは、ありふれた元素の化合物であるが、3d電子系における近藤絶縁体として強い電子相関効果に対する研究が長年なされている。近年では、トポロジカル近藤半導体SmB6や同様の空間反転対称性が破れた結晶構造を持つCoSiなどの類似物質としても注目されている。結晶構造は構造は空間反転対称性の破れを持ち、スピン軌道相互作用(SOI)を顕在化させると考えられる。
今回の成果のうち、電子相関効果の研究は、金属絶縁体転移や特異な温度による磁化率の変化の解明につながる。またバルクでの特異なスピン構造は、比較的軽元素である3d遷移金属化合物でも、系の対称性によりSOI効果が顕著になっている証拠である。

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公開日: 2022-01-27  

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