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2020 年度 実施状況報告書

電荷密度波を用いた微小熱機関の構築と確率的熱力学への応用

研究課題

研究課題/領域番号 18K03528
研究機関福井工業高等専門学校

研究代表者

松浦 徹  福井工業高等専門学校, 電気電子工学科, 准教授 (60534758)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード電荷密度波 / 確率的熱機関 / マスクレスフォトリソグラフィ
研究実績の概要

前年度に、測定理論を見直したところ、想定していたヘテロダイン測定では試料‐ゲート間距離が数100ナノメートル程度の微細構造にしないと測定可能な信号が得られないことが分かった。これを実現するためには、フォトリソグラフィによる微細加工を行い、数マイクロメートルサイズのMEMS構造が必要である。そこで、レーザープロジェクターを用いたマスクレスフォトリソグラフィ露光系とフォトリソグラフィプロセスの改良を行った。
以前から問題となっていた、金蒸着後のリフトオフ時に金膜がはがれてしまう、という問題は、現像後のリンス工程において、リンス液(純水)に現像液に溶けたフォトレジストが拡散し、それが基板に再付着しているということを突き止めた。この現象を回避するため、二つの方針でフォトリソグラフィプロセスを見直した。
一つ目は、今まで行っていたリンス工程(基板を純水に2分間浸す)の改良である。リンス液として今まで室温の純水を用いていたが、純水を100℃に加熱する、純水にエタノールを少量加える、リンス工程の回数を2-4回に増やす、などの改善策を考え、効果を検証した。その結果、加熱した純水を用いて、リンス工程を複数回行うことで、レジスト膜に大きなダメージを与えることがなく、再付着したレジスト分子をある程度除去できることが分かった。純粋にエタノールを混ぜてリンス液に用いた場合は、溶解力が強すぎて、レジスト膜全体にダメージがあり、採用できなかった。
二つ目の方針では、レジスト工程を行う前に金属膜を基板に蒸着し、その後ネガ型のフォトリソグラフィ工程を行い、最後にウェットエッチングによって不要な金属膜領域を除去する。そのためのプロセスの各ステップの確認を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

フォトリソグラフィ工程の改良に時間がかかり、MEMSデバイス作成まで到達できなかった。

今後の研究の推進方策

現在進めているフォトリソグラフィ工程の改良を元に、電荷密度波-機械振動子の相互作用を観測するMEMSデバイスを作成し、測定を行う。フォトリスグラフィ工程の改良の方法として、小型真空プラズマ装置を購入した。大気プラズマにより再付着するレジスト分子を効率よく除去できると考えられる。プラズマ装置を組み込んだフォトリソグラフィプロセスの改良をさらに進める。
また、機械振動を電荷密度波の電気伝導によって検出することが研究の目標だが、そのためには機械振動を別の方法で観測して、電気伝導測定と比較する必要がある。そのため、レーザードップラー振動計を構築し、機械振動を直接観測する。

次年度使用額が生じた理由

旅費等に使用できなかった。今年度はじめに電気計測・光学計測に関する物品の購入に充てていく予定である。

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公開日: 2021-12-27  

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