研究課題
新規量子現象の発現に圧力変数は極めて重要な外部変数として作用する。しかしながら圧力発生には高度かつ専門的な知識と技術が必要であり、より高い圧力を発生させるにはより小さい空間容積(試料空間)を必要とする絶対的な相反関係が存在する。したがって大きい試料空間を必要とする物性測定との組み合わせには最大発生圧力に大きな限界があった。実際、超音波測定と圧力実験環境の組み合わせは、ピストンシリンダー型圧力セルのみ用いられてきた。そのため本研究グループも含めて圧力下超音波測定は、これまで2GPa程度の限られた低圧力範囲内の研究に留まっていた。この限界を大きく引き上げるため本申請ではダイヤモンド・アンビルセルを用いた超音波測定環境の整備にあたった。研究期間内にCOVID-19の世界的な感染拡大および世界情勢の急変(大国ロシアのウクライナ軍事侵攻)により十分な研究活動が実施出来ず、研究期間の延長を複数年行った。特に、物品の手配、搬入が著しく難しくなったこと、および寒剤(液体ヘリウム)の枯渇と価格の急騰により、当初計画していた研究内容を大幅に変更せざるを得なくなった。COVID-19災禍では、担当している講義が全てリモート形式に移ったことでその準備に時間と労力を費やされ、さらには研究室学生が自宅待機となったため、本研究課題については2-3年間開店休業状態にあった。さらに実験装置のダイヤモンド・アンビルセルに関して、ダイヤモンドの入手が困難かつ価格の上昇により研究の継続が非常に難しくなった。このような状況下で、ダイヤモンド・アンビルの代替としてサファイア・アンビルを採用し、可能な限りの研究計画内容を実施した。サファイア・アンビルセルを用いて常圧下での超音波エコー確認、予備実験を実施し、ダイヤモンド・アンビルの代替として超音波計測が可能であることを実証した。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 4件)
Journal of Physics: Condensed Matter
巻: 35 ページ: 245602~245602
10.1088/1361-648X/acc562
J. Phys.Soc. Jpn. (in press)
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J. Phys.Soc. Jpn.(in press)