研究課題/領域番号 |
18K03532
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研究機関 | 大阪工業大学 |
研究代表者 |
平郡 諭 大阪工業大学, 工学部, 准教授 (70611648)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 金属絶縁体転移 / 分子性固体 / 強相関電子系 / 超伝導 / フラーレン化合物 / 電気輸送特性 / 圧力 |
研究実績の概要 |
モット転移の研究が始まって50年以上が経つ現在でも、モット転移やその臨界現象について実験的に調べ議論され始めたのは近年のことである。その一方で、低い超伝導臨界温度やバンド幅制御型のモット絶縁体が少ないこと、量子臨界点が有限温度に存在しないこと等々の実験的な不都合のため当該領域における研究の加速度は大きくない。 本研究課題では比較的低圧力(~200MPa)で電子状態を制御可能なバンド幅制御型モット絶縁体である面心立方格子の分子性固体であるフラーレン化合物を用いて、銅酸化物でも見られる異常な金属状態の起源と、分子自由度と電子相関が密接に絡み合った系における金属絶縁体転移の性質を実験的に明らかにすることを目的とする。 初年度は研究代表者の異動に伴い研究環境に大きな変化が生じた。そのため初年度は主に研究環境の整備に注力し、測定環境の構築と試料合成に必要な準備を行った。本研究課題の遂行において必要不可欠な測定機器を導入し、その立ち上げ確認を実施した。安定して運用可能であることが確認でき、現在自動測定プログラムを自作している。試料合成に関しては研究環境の変化に伴い、合成条件の最適化を実施しているところである。合成した試料の同定には外部共同研究施設に設置されている機器を用いる必要がある。データ解析は研究室内で行うことが可能であるため、短期間の出張を繰り返しながらデータを蓄積していくことが可能である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者の異動に伴い研究環境に変化が生じた。研究環境の整備に注力し、測定環境の構築と試料の合成に努めた。
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今後の研究の推進方策 |
本年度導入した測定機器を用いて当初計画していた測定を進めていく。 研究室で充足されない測定に関しては、外部研究施設を有効に活用し研究の加速度を維持する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
前倒し支払い請求が万円単位であるため、物品購入後次年度使用額が生じた。 次年度は当初翌年度分として請求した助成金と合わせて、研究課題遂行に必要な予算に充当させる。
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