研究課題
基盤研究(C)
フラーレン化合物において電気抵抗率測定を用いて系統的に調べられた例はなく、これまで磁化測定を用いて主に議論がなされてきた。本研究課題では独自に開発した測定系を用いて格子が拡張した面心立方格子C603-状態の圧力下電気輸送特性の測定を行った。モット絶縁体状態から金属を経て超伝導に転移する電子状態の変化を詳細に測定し、C60の分子自由度が密接に絡んだ特異な状態であることを明らかにした。
固体物理
モット転移の研究が始まって半世紀以上が経つ現在でも、モット転移やその臨界現象が実験的に調べ議論され始めたのは近年のことである。本研究では比較的低圧で電子状態を制御可能なバンド幅制御型モット絶縁体である面心立方格子の分子を用いて、銅酸化物でも見られる異常な金属状態の起源と、分子自由度と電子相関が密接に絡み合った系における金属絶縁体転移の性質を実験的に明らかにした。