本研究では,ナノ細孔中4Heを対象に,比熱,圧縮率,超流動応答,超音波などの測定を行ってきた.希薄領域における比熱および圧縮率の測定をもとに,非超流動相から超流動相になる面密度(nc)付近の低面密度側で流体相が消失し,すべて固相となることを明らかにした.そして,ncより高面密度側では固相の上に液相が形成され,その液相において低温で超流動相が発現していることを明らかにした.一方,加圧液体領域では,ねじれ振り子(kHz)・超音波(MHz)同時測定を進め,超音波で観測されるエネルギー散逸は,ねじれ振り子で観測される超流動に伴うエネルギー散逸とは異なる圧力変化を示すことを明らかにした.
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