本研究では、二重ペロブスカイト型マンガン酸化物 NdBaMn2O6 の単結晶体が 300 K に金属-絶縁体相転移を有し、室温かつ低磁場で巨大磁気抵抗効果を発現することを発見した。また、放射光X線回折測定により、絶縁体相が電荷・軌道整列相であることを発見した。つまり、本物質の巨大磁気抵抗効果は電荷整列相の磁場融解に起因している。また、単結晶中性子線回折測定により、本物質は低温で層状の反強磁性相と電荷整列相が共存していることが分かった。このことより、本来競合すると考える2つの相が共存していることが本物質が高温かつ低磁場での巨大磁気抵抗を有していることに起因しているのではないかという知見を得た。
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