研究課題
2023年度の研究成果はいくつかあるが、その中でもシロアリの二重濡れ現象を再現することに成功した。具体的に二重濡れとは大きな水滴は弾かれ、小さな水滴は付着するという性質である。より具体的には以下のようなものである。我々のこれまでの研究から、霧粒(直径10~100ミクロン)や霧雨(100~500ミクロン)の水滴は付着するが、雨粒(500ミクロン以上)を弾く性質を持つシロアリの翅の濡れの性質について実験と理論の両面から研究を行ってきた。このシロアリの翅の表面には、長い毛(長さ100ミクロン、根本の直径10ミクロン)と短い毛(長さと10ミクロン、根本の直径10ミクロン)が間隔20ミクロン程度で生えており、物理的欠陥がある表面ともいえる。その中で、直径100~200ミクロンの霧雨の付着する・跳ね返る挙動が確率分布となることを見出した。このような大きな水滴は跳ね返され、小さな水滴は付着し、中間的な大きさの水滴が確率的に跳ね返されるか付着する表面を転写と逆転写した。その結果、同じ二重濡れをもつ表面をつくることに成功した。このような研究成果は世界初である。2023年度末に投稿し、翌年度の5月に論文が受理された。
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