3年間の研究では,バナナ型分子が作る,ねじれと曲げ変形を持つ新規な液晶相であるツイストベンドネマチック(TBN)相についての理論を構築し,温度とバナナ型分子の曲げ角度に依存したさまざまな液晶相を理論的に予測した。ネマチックダイレクターと捩れることによる局所的な外場(電場)のカップリングによって,TBN相がネマチック相の低温側に現れることや,バナナ型分子の混合系では,濃度に依存してネマチック相からTBN相に相転移することなどを見つけた。本研究により,多くの実験で観測されている現象を定性的に説明できた。キラルカップリングパラメータを導入し,これまでの実験を説明できたことは大きな成果である。
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