等方なマクスウェル分布からずれた非等方な電子の速度分布が関連するプラズマ現象が,近年,宇宙プラズマから産業応用プラズマまで数多く報告されている.これらの報告は,3次元の電子速度分布を基礎パラメータとして把握することが,プラズマ科学を発展させる鍵となることを示している. 電子速度分布の従来の計測法では,速度分布の非等方性の情報まで得ることは容易ではなく,また,接触計測の必要性やプラズマへの擾乱,レーザーや波動の入射・出射ポートの確保,計測可能なプラズマパラメータの制限といった課題がある.本研究では,原子から放射される発光線の偏光を利用し,幅広いパラメータのプラズマに適用可能な手法を開発した.
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