研究実績の概要 |
本研究では、磁化不均一プラズマ乱流が生み出す種々の構造について、その励起機構を理解し、選択則を得ることを目的としている。 前年度の研究から、磁化プラズマ に形成されるストリーマ流の励起機構について密度変調に着目した結果を得た。今年度の研究では、その核融合プラズマへの応用に取り組み、炉心プラズマ と装置壁をつなぐ Scrape off Layer 領域の輸送の問題に着手した。ストリーマ流が励起された場合に、Scrape off 層の幅が広がる効果について解析を進めた。解析的に得られた厚みについて、数値実験及び物理実験から報告されているスケーリングと概ね一致する結果を得ることに成功した。 磁場方向の流れを含む乱流について、旋回度に着目した解析を進めた。通常旋回度が有限となるためには、系の鏡映対称性が破れる必要がある。磁化プラズマでは、この鏡映対称性の破れと磁場方向対称性の破れとが密接に関わっていることを明らかにした。旋回度の値が、低周波揺動の場合には磁場に平行な方向と垂直な方向の成分の間で等分配されることを見出した。旋回度が系の対称性の破れを定量化するのに有効なパラメータであることを提唱し、実験測定法について提案することができた。 得られた成果については、主要な国際学会(17th International Workshop on Plasma Edge Theory in Fusion Devices, the 10th Festival de Theorie, Aix-en-Provenceなど)での招待講演として報告した。国際的学術誌Phys. Plasmas 等にて論文を出版した。
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