研究課題
これまでに名古屋大学内の医工連携の共同研究によりプラズマ活性溶液を発明し、プラズマがん治療の分野において世界を先導する成果を挙げてきた。特にプラズマ活性溶液と名付けたプラズマ照射した溶液によるがんへの殺傷効果を発見し、その分子機構解明に注力してきた。プラズマ照射した培養液をPAM、プラズマ照射した乳酸リンゲル液をPALと名付けたが、昨年度までにPAM投与した脳腫瘍培養細胞のマイクロアレイ解析及びリアルタイムPCR実験による遺伝子発現解析に基づき、PAMではGADD45シグナル伝達経路を通じて酸化ストレス依存性の細胞死を誘導するのに対し、PALでは酸化ストレスに依存しない細胞死を誘導し、未知のシグナル伝達経路の存在の可能性が示唆されたが、今年度はPAL投与した脳腫瘍培養細胞のマイクロアレイデータを解析した。これまでに8倍希釈、16倍希釈、32倍希釈のPAL投与した脳腫瘍培養細胞に関してRNA精製・cDNA合成を行い、マイクロアレイにより網羅的な遺伝子発現解析を行ったところ、8倍希釈PALにおいては、88遺伝子、16倍希釈PALにおいては、40遺伝子、32倍希釈PALでは、22遺伝子、2倍以上遺伝子発現量が上昇することが分かった。更に、8倍希釈PALと16倍希釈PALにおいて、遺伝子発現が2倍以上上昇する遺伝子は共通のセットが数多く存在し、細胞死誘導に関する遺伝子群であると推察された。今後、これらの遺伝子群の中から細胞死に関わるシグナル伝達経路の同定を進める予定である。
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