本研究では、HiPIMSを用いたDLC膜の高硬度化メカニズムを解明するために、プラズマ中の炭素イオン及びアルゴンイオンの挙動解析を行い、イオンの生成メカニズムに関して考察した。HiPIMSを用いることで、通常のスパッタでは基板バイアスを用いないと達成されない膜硬度20GPaを、基板バイアスなしで得ることができた。この結果から、高エネルギーイオンの生成とイオン化率が向上されていることが示唆された。エネルギーアナライザ付き質量分析器を用いたイオンエネルギー分布の時間分解計測を行い、炭素及びアルゴンイオンのそれぞれ高エネルギー成分と低エネルギー成分の生成過程を明らかにした。
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