本年度は1年目に行ったダークマターN体シミュレーションデータを元に、初期3次元密度揺らぎの再構築を行う研究を更に進めた。ガウシアンプロセスが上手く行かなかった結果を受けて様々な他の手法を試すことにより、D'Agostino's K-squared testという非ガウス性の検定を上手く用いることにより、初期3次元密度揺らぎを再構築することが可能であることを見出した。具体的には、密度揺らぎができるだけガウス分布に従うように、重力による成長を引き戻すことによって初期の3次元密度揺らぎを再構築するという方法である。結果を論文としてまとめ、現在投稿中である。
次に研究計画に掲げた初期3次元密度揺らぎの再構築の方法として、遠方銀河団を通過してくるCMB光子の偏光の情報を用いる研究に取り掛かった。現状、計算コードを開発し低分解能の計算が可能となったところで、概念的には予想通りの結果が得られている。今後は高分解で大規模な計算をしていく方針である。
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