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2023 年度 実績報告書

時空の対称性と素粒子

研究課題

研究課題/領域番号 18K03633
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

藤川 和男  国立研究開発法人理化学研究所, 数理創造プログラム, 客員研究員 (30013436)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2024-03-31
キーワードカイラル量子異常 / Berry位相 / Majorana ニュートリノ / 断熱近似
研究実績の概要

交付申請書に従い量子論と対称性の関係を中心に研究した。核子ー反核子振動に関係した基礎的な側面の研究を行った。特に時間反転との兼ね合いの研究を行った。次に、量子異常とBerry 位相の関係に関しては、通常の理解であるBerry位相が量子異常に関係しているというのは多くの人たちの論文で議論されてきた研究であるが、全面的に誤りであることを数個の論文およびレビュー論文で明確にした。論拠は、Berry位相は量子力学の断熱近似に基づいているという事実である。これはBerryの最初の論文がまさしくこのような近似に基づいているという事実のみならず、Born-Oppenheimer近似でも同様な位相を導けるという事実でわかる。この問題は、多くの人たちが誤解に基づいて多くの論文を書いたのは、非常に残念な事実であり、量子異常の正確な理解を妨げまたBerry位相の正しい理解を損なった。
現在は、ニュートリノのMajorana 粒子としての理解に関して、ほとんどすべての教科書および論文で、いわゆる偽荷電共役の定義(Weinbergの論文で最初に使われた)に基づいていると考えられるが、この対称性を用いると最初に定義したMajorana 粒子の作用(ラグランジャン)がゼロになるという明確な矛盾に目を閉じているという重大な欠点を持っている。この欠点を明確に示す論文を現在準備中であり近く公表する予定である。ニュートリノの振動に関しては、基礎的な考察を行い、論文を書いた。これは、振動という現象は非常に深い量子論の本質と結びついているが、本質は非常に明快な2個の物理的な現象につながっており、時間の併進に関して不変であるというエネルギー保存則の基本に反しているように見える現象の理解に導く。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Berry’s Phase and Quantum Mechanical Formulation of Anomalous Hall Effect2023

    • 著者名/発表者名
      Kazuo Fujikawa, Koichiro Umetsu
    • 雑誌名

      Journal of Physical Society of Japan

      巻: 92 ページ: 124702

    • DOI

      10.7566/JPSJ.92.124702

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2024-12-25  

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