研究課題
1.20Neにおいて、拡張型5α凝縮模型波動関数を用いた研究を進めた。計算の結果、5α閾値の約4MeV上の励起エネルギー領域に、5α凝縮状態の理論的候補を発見した。これは同エネルギー領域に最近観測された5α凝縮状態の候補とされる状態を再現するものである。実験で観測された状況同様、部分系である4α凝縮状態に更にα粒子が一つ加わった配位を強く持つことが示された。また得られた5α凝縮状態は単一の5α凝縮波動関数の成分を大きく(65%程度)含んでいることが明らかになり、これは5つのα粒子が65%程度は単一の軌道を占有していることを示している。現在論文投稿準備中である。2.20Neにおいて、2α+12Cの3体直交条件模型を用いて、2α+12C閾値近傍までのスピン0・パリティプラス状態について調べた。昨年度完成させた計算コードを改良し、エネルギーが収束するまでの全78個の角運動量チャンネルを結合させた計算を行った結果、励起状態に2α+12Cの3体ガス的構造を持った新たなクラスター状態を発見した。3.12C原子核にΛ粒子がくっついた13ΛCについて、3α+Λからなる4体直交条件模型によるシュレディンガー方程式をフルに解き、12Cに現れるクラスター構造状態との比較を行った。また以前行った``container''型3α+Λクラスター模型計算との比較も行い、この理論計算同様、12Cの3つのスピン0・パリティプラスのクラスター状態にΛ粒子のくっついた状態がそれぞれ計3つ得られた。更に、13ΛCに新たに9ΛBe+αの2体クラスター構造の相対S波が励起したhigher nodal状態が得られた。本研究は解析結果も出そろい現在論文投稿準備中である。
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Few-Body Systems
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