液体キセノンは,宇宙暗黒物質の正体の解明を目指す将来計画の実験で核心部に使われる発光物質であるが,大規模化を進める上で,光が液体キセノン中を進む際に散乱して発生方向の情報を失う現象が顕著になる。この現象の理解は不十分で,先行研究では,実験結果と理論の予想とが有意に異なることが未解決問題になっていた。 本研究では,この問題の解決の手掛かりを得ることを目的として,世界初の手法を用いた実験を考案しチャレンジした。そして,初期のデータからは,今後に課題は残しつつも,先行研究では得られなかった散乱強度の波長依存性という詳細情報を得られることを世界で初めて示せたことは学術的に大きな成果である。
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