研究課題/領域番号 |
18K03676
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研究機関 | 神戸常盤大学 |
研究代表者 |
高久 圭二 神戸常盤大学, 保健科学部, 教授 (30263338)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | CsI(Tl) / LYSO / ZnS(Ag) / Pulse Shape |
研究実績の概要 |
大阪大学核物理研究センターのAVFサイクロトロンの更新作業が長引く予定のため、J-PARCでのパルスビームでの実験を行う計画でありプロポーザルは通ったが、コロナ過で実験が中止となった。 大阪大学核物理研究センターでの実験では連続ビームなので、CsI(Tl)検出器の開発を行ってきたが、J-PARCでのパルスビームでの実験では、CsI(Tl)と比較してパルス幅の短い粒子識別可能な検出器の開発が必要であった。具体的にはLYSO+ZnS(Ag)という組み合わせによるホススイッチタイプの検出器である。LYSOの時定数は50ns、ZnS(Ag)の時定数は200nsであり、ZnS(Ag)をΔE検出器として、パルスシェイプによりΔEとE成分を分けて粒子識別する。これにより時定数が1μsのCsI(Tl)検出器での問題点をクリアする。 昨年度は京大複合原子力研究所の11MeVライナックや九大タンデムを使用した検出器のテスト実験を行った。九大学部4年生の永田君が、「九大タンデムにおけるZnS(Ag)-LYSO検出器の軽イオン識別能の評価」という題で、九州支部例会で発表した。また2月にはこのテーマで宮本君が修士論文として「3Heミューオン捕獲実験のための検出器開発と性能評価」を完成した。1月に行われた第10回MUON科学と加速器科学において「Heミュオン捕獲反応による三体力の研究と応用」というタイトルで講演した。 3月の日本物理学会で、「3Heミューオン捕獲実験のための検出器開発と性能評価II」というテーマで宮本君が講演した。 しかしながら、コロナ過で大学間での研究協力ができなかったことから、開発は大幅に遅れている状況である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初は大阪大学核物理研究センターの連続ミュオンビームを使用する計画で、プロポーザルも通っていたが、AVFサイクロトロンの更新作業が長引く予定のた め、J-PARCでのパルスビームでの実験に切り替えた。そのため、従来計画していた検出器は使用できず、検出器の開発を行なうこととなった。AVFサイクロトロンが使用可能であれば、検出器のテスト実験も行えたのだが、できないので、手ごろなエネルギーと使い勝手の点で可能な実験施設を探して、交渉することによって、検出器のテスト実験を行うことができた。 しかしながら、コロナ過で、大学を移動してでの開発研究ができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
J-PARCでのプロポーザルが通ったので、2021年度に実験を行う予定であるが、コロナ過で難しい状況にある。 大阪大学核物理研究センターのAVFサイクロトロンの更新作業が終了すれば、プロポーザルは有効であれば今年度中に実験を行いたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ過でJ-PARCでの実験が中止になったため。
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