重力波検出器の主要な雑音である熱雑音を低減するため、次世代検出器では鏡を低温に冷却する。しかし、そのような鏡の表面には、時間とともに吸着分子層が形成されていき、光学ロスを増大させる。我々は折返し光共振器を用いて、低温分子層の光学ロスと、厚みを同時に測定する手法を開発した。これによって、低温分子層の吸収係数を求め、アモルファス氷の文献値とほぼ同等であることを確認した。 本研究の結果、シリコン鏡を用いた次世代重力波検出器では、低温バッフルの追加による吸着層の形成抑制、CO2レーザーを用いた吸着層の加熱脱離などの対策が必要であることが示された。
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