蒸気から液滴や結晶が生まれる際の凝縮核生成過程は、雲の発生や宇宙の固体粒子の生成や進化を考える際の重要なプロセスであるが、最初にできる凝縮核がナノサイズ以下と小さく、その生成率を精度よく予言する一般的な理論はまだ存在していない。本研究では凝縮核生成や結晶化過程を理論モデルや原子・分子レベルで詳細を知ることができる分子動力学(MD)計算の結果に基づき、凝縮と結晶化過程を定量的に議論できる理論モデルを構築した。特に気候変動にも関係する中間圏の雲に適用し形成メカニズムを特定する重要な結果が得られた。凝縮核生成という基本的な問題に寄与する本研究の手法は他の天体や宇宙環境にも適用することが可能である。
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