広天域撮像サーベイ、特にすばる望遠鏡Hyper Suprime-Cam (HSC)サーベイ観測データの解析と関連する理論研究から、密度揺らぎの総量の測定について大きな進展が得られた。宇宙背景放射の外挿から期待される密度揺らぎの総量に比べて、HSCサーベイの3年目データの重力レンズ解析から得られた密度揺らぎは2シグマほど少なく、標準宇宙論の破綻を示唆する興味深い結果が得られている。銀河団重力レンズの系統解析により、当初懸念されていたよりも銀河団の質量分布はシンプルであることもわかってきており、銀河団を用いた宇宙論に道を拓いた。
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