• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実績報告書

赤色巨星における抑圧された双極子振動モードの謎-漸近理論による究明

研究課題

研究課題/領域番号 18K03695
研究機関東京大学

研究代表者

高田 将郎  東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (20334245)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2024-03-31
キーワード星震学 / 恒星磁場
研究実績の概要

本研究の目的は、一部の赤色巨星に見られる、双極子モードの振動振幅が通常の星より小さいという問題について、その原因を探ることにある。この現象の原因として提唱されているものの一つが、中心部の強い磁場による影響とする仮説である。2022年度には(他の研究グループにより)、一部の赤色巨星の内部に実際に磁場が存在することが示されたが、検出された磁場強度は仮説で想定されているものより小さく、また双極子モードの振幅は小さくないということがわかり、磁場説との関連ははっきりしていない。
2023年度の本研究では、この磁場説についてより多角的に検討するため、赤色巨星そのものではなく、その先祖と考えられている中間質量主系列星に着目した。いくつかの星について、振動周波数スペクトルを詳細に調べたところ、その中の一つに磁場起源と思われる兆候を発見した。これが確認されれば、主系列星については初めての内部磁場検出となる。残念ながら、本研究の期間内では解析の全てを完了することはできなかったが、今後も解析を継続し研究論文の形で発表する予定である。
また同じく2023年度には本研究に関連するものとして、赤色巨星の振動における「結合係数」と呼ばれるパラメータを、機械学習の技術を用いて効率的に決定するという国際共同研究プロジェクトにも参加し、結果を研究論文として公表した。
最後に、本研究の研究期間全体を通じての成果は、以下のようにまとめられる。(1)すでに提唱されている磁場説を理論的に詳細に検討し、その問題点を明らかにした。(2)赤色巨星の振動周波数スペクトルを、従来より詳細に解析するための理論的枠組みを構築した。(3)赤色巨星の祖先である中間質量主系列星について、その内部自転および磁場構造を測定する方法を確立した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [国際共同研究] Tata Institute of Fundamental Research/Intel Labs(インド)

    • 国名
      インド
    • 外国機関名
      Tata Institute of Fundamental Research/Intel Labs
  • [雑誌論文] Inferring Coupling Strengths of Mixed-mode Oscillations in Red Giant Stars Using Deep Learning2023

    • 著者名/発表者名
      Dhanpal, Siddharth; Benomar, Othman; Hanasoge, Shravan; Takata, Masao; Panda, Subrata Kumar; Kundu, Abhisek
    • 雑誌名

      The Astrophysical Journal

      巻: 958 ページ: id.63, 14 pp.

    • DOI

      10.3847/1538-4357/ad0046

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] Mixed modes2023

    • 著者名/発表者名
      Masao Takata
    • 学会等名
      PLATO Stellar Science Conference 2023
    • 国際学会 / 招待講演

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi