宇宙最大の天体である銀河団に付随する電離ガスの運動学的・熱力学的性質および暗黒物質や星・活動銀河核との関係性を明らかにするため、ミリ波サブミリ波、X線、可視光といった多波長における高性能観測機器および宇宙論的大規模数値シミュレーションを用いた研究を行った。主な成果として、5秒角の空間分解能でのスニヤエフ‐ゼルドビッチ効果測定を複数の天体に対して成功させたこと、電離ガスが過冷却を起こしている稀有な銀河団の存在を明らかにしたこと、大多数の銀河団においてガス密度・温度の双極子的な揺動が生じていることを突きとめたこと、などが挙げられる。
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