本研究は、銀河団中心銀河における質量降着機構を、銀河スケールから活動銀河核の核周領域にわたって観測的に調べたものである。本研究では、アルマ望遠鏡を使ったNGC 1275の観測により、銀河スケールから核周領域に向かう低温分子ガスのフィラメントの存在と、核周領域に低温分子ガスの核周円盤が形成されていることを発見した。さらに、核周円盤で発生する超新星爆発が引き起こす乱流により、中心へのさらなる分子ガス降着が発生している可能性を明らかにした。銀河団中心銀河では、高温プラズマが球対称降着することで活動銀河核への質量供給が行われていると従来は考えられていたが、我々の研究はその予想を覆す結果となった。
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