世界中の研究機関から海洋観測データを収集し、日本と黒潮の間の内側域について、100年超水温時系列を作成した。その結果、関東・東海沖内側域は、数百メートルの深さまで顕著に温暖化していることを発見した。そして、世界最新鋭の衛星観測データを用いることで、現在進行形で発生している黒潮大蛇行に伴う関東・東海沖沿岸昇温を明らかにし、新青丸観測航海により沿岸昇温は黒潮分岐流に起因することを見いだした。そして、大気モデルによる数値実験を実施した結果、関東・東海沖沿岸昇温に伴い増加した水蒸気の影響で、関東周辺の夏季気候が高温・湿潤化することを発見した。
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