全球規模の落雷特性の多様性を,多重雷と落雷密度という視点から調査を行った.多重雷が全落雷に占める割合は陸域に比べて海洋上で高くなり,また,陸域では多重雷に伴う雷撃(stroke)の時間間隔は,標高が高いほど短くなることが分かった.これらは多重雷の基本的な特徴は地面状態によって大きく変わることを意味している.また,北陸の冬期雷に特徴的な「一発雷」は,広く全球で観測され,高緯度海洋上と熱帯の太平洋上で出現頻度が高いことが分かった.一発雷は落雷エネルギーは高いと言われて来たが,一発雷の落雷エネルギーの頻度分布は対数正規分布を示し,充分な数の弱い落雷も存在することを示した.
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