積乱雲の発達要因は、対流圏中下層にあると考えられ、対流圏上層の影響は考慮されてこなかった。本研究では、熱帯対流圏界面付近の力学過程が積雲対流に与える影響を長期的な視点で明らかにすることを目的とした。1)全球非静力学数値モデルを用いて、成層圏突然昇温時に熱帯積雲対流活動が成層圏力学場の応答に地域毎に違いがあることを明らかにした。2)長期間の衛星観測および客観解析データの解析から、アフリカ大陸上の積雲対流活動の長期変動を成層圏力学場の変動で説明できることを明らかにした。また3) 成層圏準2年周期変動の東西風位相変化によって、北半球冬季の海洋大陸域の積雲対流活動の発達差に違いがある点を明らかにした。
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